インド時間

こないだの休日。

お願いしていた家の工事の担当者は1時間以上遅刻してきた。

そして1時間で終わる、と言っていた工事は結局6時間かかった。

そんなことにならないように事前に内見を実施したのだが、なんだかんだと、その場で「サー、あれをこうしないいけません」などと色々新しい工程が出てきて結局予定より時間がかかる。

あのさ。

そんな風にグダグダになるのがイヤだから事前に内見を実施したのだが。

 

でもインドにいると、こういうことが想定内、というか、まぁ、こんなもんか…となってくる。

むしろ、きちんと1時間程度でやって来て、工事もその日のうちに完了して良かった、とすら感じる。

やれやれ。

 

インド人は時間を守らない、あるいは時間の見込み方が甘い(適当だ)、というのが通説だ。

誰もが知っているし、住んでいる人は痛感しているだろう。

インド時間、という言葉があるぐらい、役所仕事は当然、一般の会社員同士、あるいは何かの作業をお願いしてもあらゆることに遅延が生じる。

 

でもそれって日本人が神経質なんじゃないの?インド人はのんびりしてるんだよ、みんな。

 

なんて、来る前は民族性や価値観の違いで理解しようとしていたが、来てみると、そうでもないんじゃないか、というのが実感だ。

インド人は確かにある意味のんびりしている気質ではあるが、自分の利益のためなら、なりふり構わずガツガツするところもある。

例えば、身近な例でエレベーターにおいて、自分が乗ったらさっさと「閉ボタン」をカタカタカタと連打する連中はいくらでもいる。

のんびりしている国民性なら、ものの数秒、自然に閉まるのを気にせず待っているのではないだろうか。

降りる人がいるのに、我先に乗り込もうとする連中だっていくらでもいる。

のんびりどころか、むしろせっかちなぐらいだ。

 

結局インド人も同じ人間。

基本的に利己的で、マイペース、さらにはめんどうな仕事は適当に流したいんだろうなあ、と思う。

こないだの件もそうだ。

だいたいの内見をやって、だいたいの時間に行って、だいたいの仕事をして…

そんなこんなで遅れていくし、それで成り立っている世の中なのだ。

 

あまつさえ、インド人。

ハードルの高いことはなるべく避けようとしたり、あるいは驚くことに、勝手に無かったことにしたりする連中も多い。

そのくせプライドは高く、自己肯定欲求は強い。

しかも言いかえしや反論スキルがすごい。

エクスキューズをさせると、どこまでも彼らは饒舌だ。

 

インド人はとにかく自分にとって面倒くさいことをしたくないのだ。

もちろんこんな人ばっかりではないことも知っているが、大局はそうだ。

 

暮らすだけならまだしも、こんな連中を相手に仕事をしていくのは勉強になる側面、当事者としては本当にしんどい事が多い。

 

だから“できる人”を探して、味方に付けるしかない。

そこに注力するしかない、と思っている。

でもそんな人は簡単に見つからない。

見つかってもすぐ味方になるとは限らない。

そしてなんといっても、そんな人がいない中でも仕事をまわしていかないといけない、ということだ。

 

それは、とても、しんどい。

 

勘弁してくれよ、もう。