高校生かよ、お前ら

インド人は基本的に子供でワガママな人が多い、というのが素直な私の印象だ。

これはキャラクターの話であって、頭がよい、とか勉強ができる、というベクトルとはまた違う意味だ。

色々な個性を認め合いつつも…他人なんかよりもまず、自分。

いかに自分の意向を主張しながら、自分のペースで、いいとこどりして、楽しく生きるか。

彼らはこの観点については情熱をもって考え、ぬかりなく行動している。

まぁ、日本人が世界でみても、他人との距離感を鑑みる殊勝な国民性がある、という見方ができる事はよくわかるのだけれど。

 

インドで働いていると、人の言うことを聞かない、言ったことをやらない、こういう連中は多い。

あるいは、一から十まで説明や指示をして、やっと70%ぐらいのものが返ってくる、しかも予定より遅れて、といったことがザラだ。

どう前もって準備するか、進捗をつめるか。

そういった段取りを作る、とる、経験は否が応でも積める。

 

またインド人の言い訳や論点のすり替えはとても上手であり、饒舌な反論にグヌヌ…と悔しい思いをすることもしばしば。

あるいはインド人の相手側に立った理解の無さにグヌヌ…と腹が立つ思いをすることもしばしば。

更には論理的に一個一個つめていくと、最後には泣き出して主張を通そうとさえすることもある。

グヌヌがたまって爆発しそうになる。

子供でワガママなやつらめ。

マネジメントでの交渉力や、人をうまく使うスキル、が身につくと思ってあたらねば報われない。

でも、その代わりに自分の精神力など心の体力がすり減って、消耗していくものも大きい。

いずれにせよ報われない…ということか。

 

インド人の子供を見ればなんでこういう大人ばっかりになるのか、わかる気がする。

インド人の子供はとってもかわいいが、一方でしつけ面では、日本人から見ると親は子供に甘やかし放題な場面によく、出くわす。

お金を持っている層の子供はもれなく体格が良く、でっぷり太っている子も珍しくない。

好きなものを買ってもらって好き放題している子供も多い。

たまに感度が高く、西洋風の美意識があり、スラッとした子供もいるけど、いわゆるイケメンや美少女はまれだ。

 

アジア共通で太っている子供は富の象徴、という価値観があるけど、インドでもどうやらそうらしい。

「自分は子供に不自由な思いをさせてないぞ!たくさん教育して、おもちゃも買って、お腹いっぱい食べさせてるぞ!お金があるからな!」といった感じか。

 

国内線の飛行機で、後ろの座席に座る子供が席を蹴るので、「おい、やめてくれ!」と言ったことは一度や二度ではない。

親が前の乗客の気持ちを想像して子供を叱る、蹴るのをやめさせる、といった配慮を…期待するだけムダだ。

もちろん全てのインド人がそうだ、とは思わないが、そういう人が多い、というのもまた事実だと思う。

 

逆にお金がない層の子供たち。

ルーラルや村に訪問にいくと、子供たちはみんな無邪気で人なつっこく、とても癒される。

が、この層はこの層で親に子供をしつけるだけの余裕や、教養がなく、これまた自由奔放に育つ。

とても優しい表情をしている子供が、隣に寄ってきた犬を血相を変えて棒でたたき始めた時、驚くとともに、「やっぱり自分とは生きている感覚が全く違うんだな」と実感せざるを得なかった。

 

こういった子供たちが大人になるのだ。

 

今仕事をしているビルでは結構な収入を得ていると思われるインド人会社員も大勢いるが、男性トイレが面白い。

ドラマなんかの女性トイレで見る、あの“洗面台を占拠してキメ顔をはさみながら自分の身だしなみを整える”といった光景に出くわすことがよくある。

こっちも観察していると、右の表情から、左の表情から、髪型から、入念なチェックをし、うっとりしている。…ように見える。

後ろで空くのを待っていても永遠に空かないので、「ちょっとどいて」と言わざるを得ない。

思えば自分が高校生だったころ、これに近い感覚があったように思う。

自意識過剰で、自分の事だけを純粋に考えて、見続けて…

エリートっぽい会社員でもこんな感じ。

 

てかお兄さんジャマだよ、どいてくれよ、手を洗わせてくれよ。

 

 

勘弁してくれよ、もう。