血がしたたる肉を切るということ
ローカルショップを調べていくと肉屋もあったりして、自炊用にそこで肉を買ったりしている。
しかも需給の問題か、牛肉はとても安い。
テンダーロインが、ごろんとしたステーキブロック2つほどで500円しない。
ただ、日本のようにキレイなお肉ではないからね。
日によって鮮度なのか、調理事由なのか、ビックリするぐらいまずいことがあったり、あるいは肉の部位そのもので買った時は、家で血が滴る肉を自分で切ったり。
この肉を切る、という行為。
日本ではきれいにスライスされた、血にまみれていないパックに入った美味しいお肉を買うことが普通だったので、最初はドキドキした。
生き物を切る、っていうことを実感する、というかね。
でも本来こういうことなんだよね、食って。
生きてるものを食らう、っていう感覚を再認識させてくれたよ、インドは。
そういえばインドでは肉売りはもともとカーストが低い、なんて話も聞いたことがある。
肉は不浄のもの、ということだよね。
不浄かぁ。
日本で生まれ育ってると全くそんなこと考えもしなかったけどね。
ところでインド社会を見てみると、ノンベジ(ノンベジタリアン)人口が増加していて、富裕層やメトロポリタン、若年層を中心に肉食に全く抵抗がない人口も増えている。
でもインド人のノンベジは日本人からするといい加減な事も多くて、特定の曜日は食べてもOKとか、肉は肉でもチキンのみOK、とか、はたまた親が一緒でなければOKとか、聞いてみると人(家庭)それぞれに妙な独自の基準があったりする。
人ぞれぞれ解釈やルールが違う、というか。
またお金がない層の人々も、例えば日曜はノンベジデーにして家族でビリヤニを食べる、といったようにノンベジを楽しんでいたりもする。
まぁとにかくマーケットの発展にはまず需要がないと!なので、肉食が進化・浸透していけばいいなぁ、と日本人としては思うばかり。
日本にいた時は年もとったし、そんなに肉!肉!とは思わなかったけどね。
むしろ野菜の方を欲していた。
でもなんかインドに来ると肉を欲してしまう。
インドに来ると無理やり戦うことを強いられるので肉食になるのかもしれない。
それにしても日本って本当に和洋中と食のバラエティが豊富で、しかも押しなべて安全、価格もピンキリを選べる、気軽に行ける、という点で素晴らしい国だと思う。
インドは食のバラエティが限られて、押しなべて不衛生、(良い食事は)価格お高め、移動に時間がかかる、という点で苦労を強いられる国だと思う。
勘弁してくれよ、もう。