そうしてインドの臭い魚にも慣れる…わけねえだろ

肉と言えば、こちらの人は“ミート”という言葉に魚も含めていることが多い。

確かに、魚も肉、だわね、言われてみると。

コルカタ出身者は魚料理が好きだと聞く。

ここムンバイも蟹を中心としたシーフードのお店なんかもあったりして、スーパーや肉屋でも魚が並んでいる、こともある。

やっぱり肉同様、プレゼンスは小さいけれど。

 

先日、知り合いのインド人が「おじさんが魚屋してるので、届けましょうか?」と提案してきた。

ありがたい。

日本人は魚を食べる、というのを知っているので、気を使ってくれたのだ。

 

しかしこの注文方法が適当なもんで、

「インディアンサーモンをとりあえず試してみたいから、ふた切れだけ頼めますか?でも魚ごとはやめてね、切り身だよ。」

「魚屋のおじさんに聞いたら、雨季はインディアンサーモン捕れないのです。他の魚でもいいですか?」

「あぁ、そうなの、どんな魚ですか?」

「インドの魚です」

「(わかっとるわい!)白身ですか?切り身にできる?あと価格はいくらぐらいですか?」

「確認します」

 

…というやり取りをして、それから何も言ってこなかったのでこちらも忘れてはや、一週間以上経過したのち。

(もうこの時点で相当適当。こんなもんです。何事も。インドって。)

「今日、魚持っていきます、インディアンサーモンもあります。色々入れて1,000ルピー。」

いや、今日?いきなりなんだね。インディアンサーモン捕れないって話じゃなかったっけ?しかもそんなにたくさん欲しくないし。まして初回だし。ってかそもそも1,000ルピー高いよ…

と色々不満も感じたのだが、まぁもともと気を使ってくれての提案だし、値段も勉強代だと思うことにしてOKしてみた。

 

で、帰宅後待っているとほどなくビニールに入れられた、盛りだくさんの魚、が届いた。

日本にいると、スーパーに行って、自分で選んで手に取って、だけど、インドはきっとこういう“今日いいの入ったよ、持っていくよ”文化なんだよね、まだまだ。

日本も昔はこうだったのかな、なんて思いつつ、魚を見てみる。

インディアンサーモンの大量の切り身や、これまた大量のエビ、ひらめみたいな平べったい魚3尾、イワシを大きくしたような魚4尾、なにかしらのでっかい魚卵2つ。

あまりの迫力にちょっとギョッとする…

いや…ってか、こんな食えねーし。

って日中ヒマしてるわけじゃないんだから、一度に全部下ごしらえや料理できないよ…

ってか、

臭いよ、

お魚たち…

 

しばし途方に暮れる自分がそこにいた。

 

まぁでも結局、エビの背ワタとったり、ムニエル風にしたり、煮物にしたり、色々悪戦苦闘しながら食べたけど。

料理がちょっとうまくなりましたとさ。

 

インドでなぜか魚とも戦う日々。

疲れる。

 

 

勘弁してくれよ、もう。