飛行機に乗るまで何回のチェックをすりゃ気が済むのか

出張で国内線に乗る。
ゲートで待つ。
いつも搭乗はチケットに書いてある時間よりだいぶ後に始まる。

並んでいると兵隊?警察?まぁとにかく制服を着たちょっとピリッとした雰囲気の兵隊さんに搭乗券とバッグのタグをチェックに来る。(インドにいる人には周知の話だが、インドの飛行機移動は手荷物をセキュリティーチェックする前にカウンターでもらえるタグをつけておいて、チェックした後にタグにスタンプを押してもらわなければならない。これを忘れると最終的にゲートを通れない。本来はこのセキュリティーチェックをした時にタグがないと追い返されたり、そこにタグの在庫があれば押してくれるが、うっかりタグを忘れて、うっかり空港職員もタグ対応を忘れたりしたら、いざ搭乗の際になって追い返されることがある。実際にそうなった人を知っているので、このタグへのスタンプは何気に重要だ。)

話は戻って、自分の番が来てゲートをくぐる時にも兵隊さんにもう一度搭乗券とタグをチェックされる。
「さっき違う兵隊さんにに見せたけど!」
と思ってはいけない。
思うだけムダだ。
とにかくそこにチェックする人がいるのだから流れに従いもう一度全く同じチェックを受ける。

そして今度は航空会社の職員に搭乗券を差し出す。
ピッとやる。
ゲートに入る。
そこにまた航空会社の職員がいて、今度は搭乗券を切られ半券を受け取る。
「さっき職員に出しただろ、そん時やれよ!」
と思ってはいけない。
思うだけムダだ。
流れに従い、搭乗券を差し出すのだ。

ようやく飛行機へ。
ここで搭乗券の半券をしまってはいけない。
飛行機の入口にも航空会社の職員がいて、半券を見せろ、と言ってくる。
「さっき確認されたから、半券もらったんだけど!なんでまたチェックするわけ?」
と思ってはいけない。
思うだけムダだ。
流れに従い、半券を見せる。


これでようやく飛行機に乗れる。

やたら機内持ち込み荷物が多いインド人達の荷物の収納をしばらく待って、待って、ようやく席に着いて一息。
窓側にいると、真ん中の席のインド人が無邪気に「席変わって?」と言ってくる。
「通路側に挟まれる真ん中の席に変わるわけねえだろ、ボケ!」
と思ってはいけない。
思うだけムダだ。
はっきり、かつ、シンプルに「ノー」とだけ答える。

離陸が始まり、外を見ていると先ほどの真ん中のシートのインド人が思いっきり身をこちらに乗り出して体触れまくりで窓を覗き込んでくる。
「そんなに窓側がいいなら、席の確保しろよ、難しいことじゃないだろ!」
と思ってはいけない。
思うだけムダだ。
不快な態度を出しつつ「プリーズ、ドント」とだけシンプルに答える。

ここまで書いたことは流石にフルコンボの例だが、実際にあったことだ。

飛行機の中のインド人も相当だが、よく考えると何回も何回もチェックされることにも、これまた、とても腹が立つ。

最初は、さすがテロもあるインドは厳重だなぁ、と思っていたが、違うよなぁ、といつからか思い始めた。

インド。
この国は、人を色々な場所で使いたいだけなのだ。
もっというと、使わざるを得ないから無理やり作業を増やしているのだ。
もっというと、ムダ、なことをみんなが平然とするし、それをみんなが受け流しているのだ。

もっというと、バカなんじゃないの?


この週末、インドで行きたかった場所に旅をしに行って来ます。

 

…飛行機に乗って。