インドに自らの意思で来たい、と思うことは今後きっとないだろうと思う

先日引越し会社の日本人担当が下見に来た時のこと。
世間話の中で「インドから離れるお気持ちはいかがですか?」と聞かれたので、「暮らしや趣味の環境も整ったし、仕事もまだやりたかったんで残念ですね。」と答えたら「そうお答えになるのは珍しいですよ。」と言われた。
「早くインドを出たい。」「せいせいする。」といった答えが多いらしい。

駐在員、現地採用に寄らず、インドで働いている人に「あとどれぐらいインドで働きたい?」と聞いたら、まぁそれぞれ事情はあるだろうがそれでも、二年以内という返答が多く、たまに三年、それ以上の回答は少数派だ。
他にも以前ビザを取る際に「ビジネスビザが切れた際の更新手続きは?」と聞いた際、「更新される方なんてめったにいませんけどね、調べておきますが。」という返答をもらった記憶がある。
この国で3年以上働くことは様々な面でイレギュラーなことなのだ。(個人事業主はこの限りではないと思うが、いずれにしてもマイナーな存在だ)

たまに日本の友達に「インドってヨガもあるし、楽しそうじゃん。」「行った事あるけど、嫌いじゃないけどね。」的なことを言われることがある。
日本から偉い人を呼んだ際、大名行列的に良いホテルに泊まって、良いレストランで数回高級インド料理を食べて、「インドも良いところじゃないか、インド飯も思ったより美味いし。」的なことを言われることがある。
責めるつもりは全くないが、ちょこっと来て、観光や視察、遊んでるぐらいじゃわからないよね、現地でやっていくしんどさなんて、と思う。
インドに地に足つけて、住んで、食べて、働く、ということは、本人でないとわからない苦労が死ぬほどある。

とはいえ、自分は自分なりに歯を食いしばって生活環境を整え、遊ぶ環境を作り、仕事も前向きに取り組み、落ち着いてきた頃に友達も作るぞ、と意気込んでいたので今回離れることになったのは正直悲しいところもある。(嬉しいところも大いにあるが。)

この週末はそういうことをとりとめもなく考えていた。

ただ思うことはインドで仕事にかかわらず、色々な0→1(レールに乗っかることではなく、レールを作ること。乗っかりたくてもインドにレールなんて無いことばっかりだった。)を経験できたことや、この生活環境でまぁなんだかんだと楽しくやってこれたことは人生やキャリアの財産になったと思う。

最近では思い残すことがないように旅行にも出かけているし、今週もデリーあたりを色々回ってくる。

残り少ないインド生活を楽しみたい。


残念ながら自分はもうインドに自らの意思で来たい、と思うことはないだろうから。
(世界を旅行する機会があるなら、自分は間違いなく他国を選ぶだろうから。)


↓ソファとテーブルの処分をしています。

 

クソムンバイを去る日が決まったので色々整理をしなければならない - クソムンバイ日記